進む環境破壊
23%
国際自然保護連合(IUCL:International Union for Conservation of Nature)の調査に関するScientific American (2016.sep.12)の記事によると、地球上に残された手付かずの土地、つまり、動植物が自由に暮らすことができる太古からの原生林などのエリアは、地球上の全地表面積の23%だそうです。
しかも、そのほとんどがアフリカ中央部と南米。
このエリアは年々激減しています。(この20年間で10%減少)
とくに南米が顕著で、アフリカ中央部の原生林が14%減少する間に、南米ではその1/3が失われています。
このままでいくと、この先1世紀の間にはゼロになってしまうだろうと、この記事では警鐘を鳴らしています。
一方、こんな記事もあります。(同じくScientific American 2015.june.1より)
1990年から2010年の間に地球上の62%の熱帯雨林が消滅する中で、ブラジルは環境規制と密林での大豆栽培を禁止することで、2004年から2011年にかけて森林破壊を抑制したそうです。
しかし、2014年の8月からは、前年に比べて2倍の森林伐採が行われました。
そのうち70%が牧草地に利用されているとのこと。(牛肉の需要が増えている)
また、ブラジル大統領ジルマ・ルセフは、アマゾン川に水力発電用のダムと高速道路の建設を計画しているだけでなく、違法伐採に対して寛容な態度をとっているそうです。
つまり、今のブラジルは、環境よりも経済を優先する方向に向いているということ。
こういった開発によって地球規模の気候変動が起こります。
アマゾン東部と南部ではサバンナ化が進み、それが大都市サンパウロでの干ばつの原因にもなっている可能性があるとか。
また、アメリカのシエラネバダでの降雪量が例年の半分になり、それが農業にも影響を与えるといったことについても書かれています。
先進国の発展の裏には、後進国がその代償を担ってきたという事実があります。
今ようやく発展に向かおうとしたところで、”環境”を理由に、開発にストップをかけられたのでは、ブラジル国民にとってはたまったものではないでしょう。
とはいえ、アマゾンは地球の重要な緑地資源です。
一国の政治によって地球環境が左右されることがないよう、監視を強化していく必要があります。
Photo:Googl map