持続可能な未来に向けて

主にサステナビリティに関することを書いていきます。

手順書はどこまで詳細に書くべきか

私は、私が勤める会社のある市(し)の、環境評価委員をしています。

その市は、ISO14001に基づく環境マネジメントを運用しています。

それを認証機関ではなく、市に関係する人たちに審査してもらうような体制を作っています。

いわば、市民によるEMS監査をしているわけで、その委員の一人が私というわけです。

 

その市は、今回の文書改訂で環境マニュアルを大幅に簡素化しました。

その結果、もともと24ページあったものが14ページに。

 

これに対して、一人の評価委員が問題提起しました。

 

「マニュアルはあまり簡素化するもんじゃない。

大雑把になると、やるべきことが曖昧になる。

マニュアルに書かれたことが守られているかどうかを審査するのに、”マニュアルおよび関連文書等・・・”の『等』といった表記だと適合してるか適合していないのかがわからない。

だから、マニュアルは簡素化すべきじゃない」

 

と厳しい口調で発言されたのです。

 

これについては、賛否両論あると思います。

その後会社に戻って上司にその旨を伝えると、

「確かにその人のいうのは最もだなぁ」

と言ってましたし、

私はまったく逆の意見ですし。

 

ちなみに、私の考えはこうです。

「マニュアルはあまり分厚くするもんじゃない」

です。

大雑把に書きすぎて、単なる”規格の裏返し”的なものでは意味ないし、かといって、詳細に決めすぎると、運用がスムーズにいかない上に、「マニュアル通りにすることが目的」といった人が出てくるからです。

ですから、

マニュアルはあまり詳細になりすぎない程度に書いて、あとは運用のレベルを上げていくべきだと思います。

内部監査のときに、「大雑把に書いてあるから適合だか不適合だか判断しかねる」というのであれば、まずは自分なりの判断をして、記録には「何を見たのか」「何を判断基準にしたのか」その結果、「どのように判断したのか」を明記すれば、後で誰かが見たときにもわかるはずです。

 

運用のレベルを上げれば、みんなの常識のレベルを上げれば、マニュアルや手順書は簡素化できるし、運用において応用も利くでしょう。

そのためにも教育訓練は大事。

情報を発信し、情報を共有し、価値観を共有すれば、手順書は簡素化できます。

兄弟、姉妹、家族の間に手順書は不要です。

また、何かあったときにも相互扶助が自然とできて、阿吽の呼吸で危機に対応していきます。

そういうマネジメントを目指すべきだと思います。