「描き続け よみがえった森と村」 朝日新聞 2022.01.01 朝刊2面
―記事要約
岡山県西粟倉村の元村長である道上さんは、何のとりえもない村とただただ荒廃する山林に危機感を感じ、2008年に「百年の森林構想」を打ち立てた。
最初は、山を管理するために地権者を一軒一軒説得してまわり、そうしながら間伐材の加工販売をするなど身の丈にあった経済をまわすことを目指した。
すると、森は息を吹き返し、構想に共感した人たちが集まり村も活性化した。
もちろん課題はまだ残ってはいる。
しかし、「未来から考える」土壌ができたことと、構想に共感した意欲的な人たちが集まることで、むしろ持続可能な未来に向けての可能性は広がる一方だ。
―コメント
この記事に関連して、かつてヨーロッパを襲ったペストやコレラといった感染症が世の中の仕組みを変えてきたこと、また現代を、「未来への出発点」と位置付けるフューチャー・デザイン思考で「目指したい未来」から今を考えた場合、いまのコロナ禍で何が見えてくるのか、といった記事が掲載されていました。
SDGsで社会の持続可能性やこれまでの経済のあり方に関心が高まる中、新型コロナはそれらを改めて問う結果になりました。
かつてヨーロッパが経験したパンデミックによる社会構造の変革、これを今の私たちは試されています。
しかし、社会の規模はかつてとは比較にならないほど大きくなっています。ここまで大きくなった社会をリセット(スクラップ&ビルト)するのか、それとも走りながら軌道修正していくのか。
いずれにせよ難題であることは確かだけれど、躊躇している時間的余裕がないのも確か。
まずは、さまざまなアクターが同じ土俵で「未来について考える」ことをしていくのが変革のための第一歩。
そのためにも、土俵すなわち“場”をつくることが先決かと思います。