持続可能な未来に向けて

主にサステナビリティに関することを書いていきます。

「青臭くても社員と語る志 パーパス経営と働き方」 朝日新聞 2022.01.06 朝刊9面

―記事概要

 

介護大手のSOMPOケアでホーム長を務める広畑さんは、中学の授業で見た特別養護老人ホームの実情にショックを受けたことが介護を目指すきっかけだと語った。

SOMPOグループでは、そんな自分の価値観に影響を与えた学生時代の原体験を経営トップと社員が語り合うオンラインの対話集会を昨年9月から11月にかけて7回開き、約1万人の社員が配信動画を視聴している。

SOMPOグループは今年度、「安心・安全・健康のテーマパーク」というパーパス(存在目的)を掲げた。

しかし、このパーパスを社員が納得・共感し、行動が変わらなければ、それはお題目に過ぎない。

経営陣には、個々の社員の働きがいと会社のパーパスが重なり合わないと会社の成長は望めないという危機感がある。

この集会などを通じて、グループの全社員約6万人にマイパーパスを言葉にするよう促す方針だ。

「食と健康の課題解決」のパーパスを掲げる味の素も同様に社長と社員の対話集会や個人目標発表会を開き、社員へのパーパスの浸透に努めている。

いずれの企業に共通するのは、ステークホルダーの中でとくに社員を重視している点。

イノベーションをおこせるのは、結局は人だという考え方がそこにある。

 

 

―コメント

 

会社の力は、結局はそこで働く人に起因する。

その源泉は人の力量やモチベーション(マインド)。

社員のモチベーションをあげて持てる力を引き出すことが、今のような厳しい時代には特に求められるようになっています。

会社の力とは、複数の個人の力の合力(合成力)。

であれば、当然ベクトルは合わせるべきで、その前提として会社の方向性を示すビジョンなりパーパスは必須。

つまり、個人と会社の方向性や価値観を見える化し、それらの調整する「実務(手段)事例」をこの記事で紹介しています。

個人が会社に合わせるのではなく、方向性や価値観の一致するところでお互いが協力し合う。

これまで会社に従属的であった「従業員」が、ステークホルダーとして経営者と対等な立場になりつつある状況を反映している記事だと思います。