持続可能な未来に向けて

主にサステナビリティに関することを書いていきます。

「倒産件数57年ぶり低水準」 朝日新聞 2022.01.14 朝刊2面

―記事概要

 

東京商工リサーチTSR)の調べでは、2021年の倒産件数(負債総額1千万以上)が6030件となりで、57年ぶりの少なさだった。

理由としては、コロナ禍での資金借り入れに関する政府の支援策が功を奏したとの見方。

しかし、この支援策も徐々に終わりが近づいており、今後は積みあがった借金を返せない企業による相次ぐ倒産が増える懸念が強まっている。

業種別にみると、巣ごもり需要の追い風を受けた小売業や卸売業については最も倒産件数が少なく、酒類の提供に制限のあった飲食や宿泊などのサービス業は、最多だった昨年に続き2番目の多さだった。

この状況は政府による資金支援策を受けた上でのことであり、支援期間が終了する今後はさらに状況は悪化する。

TSRでは、「コロナ以前からの経営課題を先送りにしてきた企業は、今後厳しい状況に晒されることになる」、とみている。

 

 

―コメント

 

サステナビリティやESGの流れから将来性のある企業に優先的に資金を流し、そうでないいわゆるゾンビ企業を炙り出し干していくという「金融による社会構造変革」は、コロナ禍がそれに拍車をかける結果になったようです。

ただ一方で、「コロナ禍では、感染リスクから『個』が重要視されるようになったが、その結果ストレスやメンタル不調の問題が起こったことで、『人が生きていくうえで人同士の交わりは必要不可欠なこと』ということが改めて証明された」と京都大学の元総長の山極さんは言ってます。

つまり、倒産著しい飲食や宿泊業も人間社会にとっては必要不可欠な業種ということ。

「潰すのはやむを得ない企業」と、「存続させるべき企業」の見極めが難しいですね