「共通テスト 問題流出か」 朝日新聞 2022.01.27 朝刊1面
―記事概要
大学入学共通テスト初日の15日の午前にあった世界史Bの試験中に、受験性がスカイプを使って家庭教師サイトで知り合った大学生に複数回にわたって問題文の画像を送信した。
また、その日の正午前には、「次は古文漢文よろしくお願いします!」とメッセージを送信。
送られた問題文に解答した大学生は、画像が共通テストと同一問題だと試験後に気づいた。
センターは、電子機器などにって試験問題が外部に流出したケースはこれまでないという。
共通テストは29、30日に追試験が予定されている。
文科省は、「事実関係が分かれば対応したい」としている。
―コメント
間違いなく試験場からスカイプによってテスト問題が漏れたんでしょう。
そこまでしなければ望む大学に入れないという厳しい状況を、IT技術によって打開しようとしたわけですね。
「課題解決をITの力で!」
この場合は正しい使われ方ではないですが、できる条件さえ整えば誰しもやるんじゃないでしょうか。
「不正のトライアングル」というのがあります。
不正をしてしまう3条件のことで、これが同時に揃うと不正は起きると言われています。
「いい大学に合格しないと人生が茨の道」と、追い詰められている。(動機)
「試験管が時々しか巡回に来ないし、スマホがあれば一瞬でことを済ませることが可能」と、実行できる状況が存在する。(機会)
「自分以外にもやってる人はいるだろう」と、言い訳ができる。(正当化)
この場合は、こんな感じでしょうか。
ただ、1年間の勉強の成果が1回のテストで判断されるのはあまりにも酷だと思います。
しかも、身に付けた知識が社会に出たときに役に立たない場合が多い。
であれば、入学を容易にして卒業のハードルを上げる方がいいのでは?
そうすれば、入試のときにこのようなリスクを冒してカンニングすることもないし、大学在学中もマジメに勉強するでしょうから。
これからウェアラブル端末なんかが一般化すると見抜くのは余計に困難。
ITによって暗記型の入試の限界が見えた感じですね。