「LNG 欧州に融通案難題」 朝日新聞 2022.02.05 朝刊7面
―記事概要
ウクライナのNATO加盟をめぐってロシアが圧力をかけている問題で、天然ガスのおよそ5割をロシアからの輸入に頼るEU経済にも大きな障害がでる恐れが出てきた。
アメリカは日本に対して日本向け天然ガスの一部を欧州へ融通することを打診しているが、天然ガスは超低温保管で保管するだけでもエネルギーを要することもあり、在庫も2~3週間分しかなく他へ融通するほどの余裕はない。
一方、大手電力会社はこれまで石油や石炭火力発電を相次いで休止している。
原発の再稼働も進んでいない状況でガス発電以外の発電量を増やすのは簡単ではない。
経産省は、「過去10年間でもっとも厳しい」としている。
―コメント
産油国は今後の需要の減少を見越して原油の減産をしはじめました。
また、今のうち原油で稼げるだけ稼いで、稼いだお金を使ってソーラー発電や風力発電など再エネ発電立国に転換しようとしています。
そんな中、ガスの供給についてはロシアと欧米の政治的な理由で供給に制限が・・・。
これまでのエネルギー安全保障では、自国で消費するエネルギーに直接関係することだけを“リスク”として特定してきました。
しかし、今や遠いヨーロッパで起きている状況までもが日本のエネルギー事情に大きく影響を及ぼす時代です。
また一方で、CO2削減のグローバル目標も達成しなければならない。
いよいよ原発の再稼働に注目が集まりますね。