「『水素電車』JR東が実証走行へ」 朝日新聞 2022.02.18 朝刊8面
―記事概要
JR東日本は、3月下旬から神奈川県内の南武線と鶴見線で、水素由来の電力で走行する「燃料電池電車」の実証走行を始める。
鉄道の脱炭素化の一環で、2030年の導入を目指す。
川崎市の車両センターで開発された試験車両「HIBARI」は2両編成で、燃料電池車「MIRAI」を開発したトヨタ自動車と蓄電池に強みをもつ日立製作所により、約40億円かけて開発された。
JR東によると、管内の全69線区のうち28線区が「非電化区間」を含んでおり、そこで走行するディーゼル車を「HIBARI」へ置き換える。
ただ、非電化区域は人口減少が進む地域が多くコストが合わないため、他の交通機関や地域との共通利用をトータルでみていく必要がある。
―コメント
2050年カーボンニュートラルに向けて政府が打ち出す「グリーン成長戦略」においても、鉄道車両の水素燃料電池化は謳われています。
ただ、水素を作りだす過程でエネルギーを消費するので、そこで使用するエネルギーもクリーンエネルギーに変えていく必要があります。
また記事でもあるように、非電化の路線は過疎地域が多いため、電車を廃止しバスに置き換えるケースも最近多く見られるようになりました。
「水素燃料電池車両って、ほんとうに必要なの?」
と思いますが、技術革新(イノベーション)にもなると同時に開発すること自体が資金の流れを生むので、一旦始めた計画はなかなかストップしづらいのでしょう。
リニアもそうですが、そこにお金が落ちることで経済活性化の一助になるのはわかりますが、ほんとうに必要なものを見極めることも必要ではないかとお思います。
「精査したうえでの計画だ!」
というのであれば、計画立案段階での“(地域社会など)ステークホルダーとの対話”が不十分なのではないでしょうか。
イノベーションで脱炭素社会を目指すのは賛成ですが、「お金を回す」ということが大前提なところに違和感を感じます。