持続可能な未来に向けて

主にサステナビリティに関することを書いていきます。

「製造現場に技術者派遣」 朝日新聞 2022.02.26 朝刊22面

―記事概要

 

兵庫県明石市で1980年に創業した三陽工業は、主に川崎重工業のオートバイ部品の研磨を担当してきた。

オートバイ部品は非常に高い品質を求められるために敬遠されがちな仕事だが、三洋工業は進んで引き受けたことで高い技術力を身に付けてきた。

しかし、2008年のリーマンショックで売上が激減。

今のままではやっていけないという危機感から、製造業への派遣事業に目を付けた。

これがあたって、今は売上の約8割を人材派遣で賄う。

18年には後継者問題に苦しむレーザー加工会社を買収し、買収時に1100万円だった赤字を21年には約780万円の黒字に転換した。

井上社長は、「ものづくりのノウハウを生かし、若い技術者の育成を進めて、日本の製造業を元気にしたい」と語る。

 

 

―コメント

 

「日本はものづくり大国」

「ものづくりで会社を大きくする」

といった言葉をよく耳にします。

私の勤める会社も多分に漏れずこのようなことを言っています。

しかし、言葉だけで実際はなにも変わっていません。

「品質改善だ!」と言いながら、クレームは減る気配なし。

社内に出回る品質改善活動のパンフレットや事例集をみると、その理由がなんとなくわかるような気がします。

“品質”ってなに?

“ものづくり”って何を指してるの?

と、言葉の本質が曖昧になっている現状があります。

“品質”イコール“いいもの”。

で、“いいもの”って具体的にどういうもの? どういう状態?

“ものづくり”って何?

機械を動かすこと? 職人技の集大成のことを言ってるの? 手順やノウハウ?

こういった部分が曖昧で、作業者個人の認識に任せたままになっているような気がします。

たとえば、ある人は、「品質のキモは手順にあると思う」と言い、また違う人は「品質を良くするためには、機械操作が肝心だと思う」といったように、末端のとことで意思統一が行われていないのです。

この記事にある三陽工業は、コアコンピタンスを”ノウハウ”や“職人技”と認識し、その育成に経営資源を集中しています。

「日本の製造業は“ものづくり”が核にある」

というのは聞こえはいいですが、そのエッセンスを明確にし伸ばすことをしていかないと、スローガンだけで終わるような気がします。

今の会社で実感しています。