「温暖化対策の限界 警告」 朝日新聞 2022.03.01 朝刊3面
―記事概要
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第2作業部会は、このままでは気候変動リスクへの対応が難しくなる「適応の限界」を迎えるとし、適応策を公表した。
昨夏の第1作業部会の報告では、地球温暖化の原因は人類が排出した温室効果ガスであることに疑う余地がないとしている。
現在、気温は約1.1度上昇しており、熱波や豪雨などの極端気象が増加。また生物種が高緯度地域や標高の高い地域に移動したり、中には絶滅した種もいる。
人に直接関係のある事例としては、渇水による食糧や水への影響やサプライチェーンの混乱などがある。
これら影響は途上国や低所得者などの弱い立場の人に顕著で、33~36億人が被害を受けやすい地域に暮らすという。
昨年のCOP26での報告では、各国の現在の政策のままだと今世紀末には2.7度上昇する。
今すぐ適応策を強化すれば被害の軽減も可能だが、1.5度を超えてしまうと手遅れになりかねないと警告する。
―コメント
昨夏からIPCCの第6次報告書の公表が始まりました。
第1作業部会の報告では、これまでの第5次報告書の内容と大きな差はなく、違いといえばその内容が断定された点くらいだったと思います。
とはいえ、その内容はかなり深刻なもので、早急に手立てを施す必要があることにはかわりません。
一方、企業はどうかというと、相変わらず業績最優先のところが多いようです。
私も企業間プラットフォームに所属し、多くの企業を取りまとめる役目を担当していますが、そこで各社の話を聞くと、
「なんだかんだ言って利益優先」
「表向きは環境対策を行っているように見えるかもしれないけど、実際は思ったほど進んでない」
という声をよく耳にします。
また、私の所属する会社でも同じで、
「業界団体がうるさく言ってくるから最低限の対応で凌ごう」
ということを経営層が発言しています。
長年この手の仕事を担当して思うのですが、社内から意識を変えていくことはほぼ不可能に近いので、社会から企業に対して圧力をかけるようにしていくのが一番の早道のような気がします。
そのためにも、市民が知識をつけて賢くなる必要があると思います。