持続可能な未来に向けて

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「200年の伝統行事 存続の危機」 朝日新聞 2022.02.24 朝刊1面

―記事概要

 

宮城県松島湾の中で一番大きな島「宮戸島」では、毎年1月14日の小正月「えんずのわり」という行事が行われる。

この行事は、集落に住む小学2年生から中学3年生までの男子が、海岸の洞窟などで6日間共同生活をしながら神社へ参拝したり、地域の家々を訪れて「じいちゃん、ばあちゃん、達者で長生きするように」など声を掛けてまわる行事で、200年以上前から伝わる国重要無形民俗文化財だ。

しかし、この地区は東日本大震災で集落の大半が流され、残った家も大半が高台へ移転したため、来年は小学2年生から中学3年生までの男子が一人となる。

しかし、「一人では無理」との理由で、この1月下旬に自治会は開催中止を決定した。

一部からは継続のために参加対象を拡大する案も出ているが、伝統を重視して反対する者も多い。

 

 

―コメント

 

東日本大震災によって人口が流出したことで過疎化に拍車がかかっているますが、そうでなくとも日本は全体的に人口が減少しているので、こういった問題はいずれ全国各地に広がっていくでしょう。

また、以前どこかで、土俵で力士が倒れた際に医療従事者の女性が立ち入ったことが問題になったように、古くから続く伝統の中には、現代の価値観にそぐわないものもあります。

時代に合わせて内容を変えていくのか、それとも昔から続くスタイルを「伝統」の名の下で頑なに守っていくのか、この「伝統」と「継続」についてはこれから議論されるべき問題ですね。