持続可能な未来に向けて

主にサステナビリティに関することを書いていきます。

「守勢の日本 細る企業価値」 朝日新聞 2022.01.11 朝刊4面

―記事概要

日本企業の株価に発行株数を乗じた時価総額で表す企業価値が、世界の中で下がりつつある。

経営者がリスクを避けて投資を控えてきたことが原因で、米国の巨大IT企業に大きく水をあけられている。

 

1位 アップル 2.8兆ドル

2位 マイクロソフト 2.3兆ドル

3位 サウジアラムコ 1.8兆ドル

4位 アルファベット 1.8兆ドル

5位 アマゾン 1.6兆ドル

6位 テスラ 1.0兆ドル

7位 メタ(旧フェイスブック) 0.9兆ドル

8位 バークシャー・ハサウェイ 0.7兆ドル

9位 エヌビディア 0.6兆ドル

10位 TCMC 0.5兆ドル

29位 トヨタ 0.3兆ドル

 

成長市場IT分野では、ネットサービスをはじめいったん優位に立った企業が利益を広げる「勝者総取り」の傾向があり、アップルやマイクロソフトと正面から対抗するのは難しい。

一方、日本のトップ10に入る企業には世界で戦えるだけの体力が技術がある。

たとえば、ソニーグループは電気自動車への本格参入を発表した。

半導体製造装置大手の東京エレクトロンは、最先端半導体製造の分野では欠くことのできない企業で、世界的な需要増に対応に期待がかかる。

また、信越化学工業半導体の原料となるシリコンウエハーで世界シェアの約3割を握る。

しかし、多くの企業は給与削減や人減らしなどでコストを抑えて利益を確保してきたが、成長に向けた投資には及び腰。

SMBC日興証券伊藤桂一氏はこの状況を

「日本では財務の健全性を気にして十分な投資を行わず、結果的に収益力が向上していない企業が少なくない。商品やサービスなどで独自性がある事業への投資を増やす必要がある」

と分析する。

時価総額を伸ばすカギは、経営者がリスクを覚悟し独自分野に投資することだ。

 

 

―コメント

 

日本企業の場合、組織の存続や雇用の維持に重きを置くあまり、組織の破綻につながるようなハイリスク・ハイリターンのチャレンジをこれまでやってこなかった。

その結果、経済のグローバル化IT技術の発達による社会のデジタル化といった劇的な変化に、従来型で硬直的な組織構造では追随できずにいるというのも、日本企業の価値が低下した原因ではないでしょうか。